JCQA 第21回コーヒーインストラクター1級を受験したので、感じたことをちょっと書いてみようと思いました。もし、このページをご覧になった方の中で同じチャレンジをしようとしている方がいたら、少しでもお役に立てればうれしいです。長文ですから興味のある方だけ読んでください。

◇講習会

1級は2級と違ってほとんどの人が何らかのコーヒーに関わる仕事をしているようでした。年齢的には20代が圧倒的に多く感じました。私のような定年後に見える方はほぼいなかったようです。団体申込なのか受験番号もつながっているので席も近く、過去の受験体験や会社内の模擬試験の話など仲良くおしゃべりもされておりました。一個人で受験する私にとっては情報がたくさんあって羨ましいと思いました。

1日目の学科講習は、かなり速いペースで進んでいきます。最低限2級の範囲の復讐は必要、できれば1級の範囲を予習しておくことが望ましいと感じました。特に教本に出ていない写真やデータ、グラフなどが出てくるので頭に入る余裕を持たせておきたかったです。

2日目の実技講習は、5人のグループワークでカッピングと豆の分析の連続です。楽しいです。実務で普段からカッピングをしているのか、若いのにとても上手な(上手に見えてしまう)方もいらっしゃいます。グループワークなので一人一人の役割を決めて、いろんなパターンの比較を確認しました。教本に出ているカップテストの手順通りではなかったので、ここでは粉の量や挽目、お湯の温度、お湯を注いでからの待ち時間などを見つける練習のための練習と感じました。

あとは、検体キットには含まれない豆を持ち帰ることができるのも講習受講のとても大きなメリットでした。

◇検体キット

実技試験に出るすべての豆の種類が網羅されているわけではなく、カッピング用が6種類(ブラジルタイプ2、エチオピアG4、コロンビアエクセルソUGQ、グアテマラEPW、インドネシアWIB-1、インドネシアAP-1)、煎豆判別用が2セット4種類(グアテマラEPWとインドネシアWIB-1、ブラジルタイプ2とコロンビアエクセルソUGQ)と講習で使ったプラスチック耐熱カップが6個。

このカップがちょっとくせもので、お湯(70℃ぐらい)だけで温めてもカップそのものの香りが出てきます。カッピングの練習で教本通りに熱湯を使ったりすると豆の香り以外に余計な香りが出てきます。

私が購入した検体キットの豆は講習で持ち帰ったものとほぼ同じでしたが、実際に試験に出た検体は違うものに感じました。

◇実技試験

東京会場では1つのテーブルに2人ずつ、横に8人だったと思います。使用するカップは検体キットと同じもの、最初にこのカップの1つにスプーンを洗う用ともう一つに口をゆすぐ用の水を入れます。私の場合は口をゆすぐ用の水は自分で練習の時に使用していた水を準備していったので、両方ともスプーンを洗うのに使いました。洗ったスプーンを拭くペーパーも1枚渡されます。使用するお湯は講習の時と同様にポットのお湯で熱湯ではなくなっています。

1問目はグレード判定、カッピング用の番号のついたカップが配布され、検体は左右の端から一種類ずつ別のコーヒー粉がメジャースプーンといっしょに回ってきます。袋に入ったコーヒー粉を自分の分をスプーンですくって指定のカップに入れたら隣の人に回すという感じです。スプーン擦り切れ一杯と指示がありましたが、このメジャースプーン擦り切れ一杯だと10gぐらいありそうだったので、自分で練習していた時と同じぐらいに少なめに入れました。全員にいきわたると香りの確認とお湯の投入の指示があります。お湯を注ぐ量も練習していた時と同じ量を注ぎました。お湯を注いだ後は時間内に自分のタイミングでカッピングをして回答するといった感じです。2つのうちの一つは講習でも検体キットでも飲んだことのない味でした。

2問目は産地判別、検体の配布とやり方は1問目と同じです。配布された2つのうちの1つは1問目と同じものだとわかりました。ですが、1問目に回答したものが2問目の選択肢にない。1問目を間違えていることを確認できてしまった。1問目と2問目は同じ回答用紙なので、2問目終了までに1問目の回答を修正することは可能ですが、そのままにしました。結果的に1問目も2問目も0点だったので、1問目はおそらくグレード以前に産地を間違えていたことになります。

3問目は外観判断でカッピング用のカップに半分ぐらいの豆が入ったものを8種類配られます。これが時間的には一番厳しいと思いました。セオリー通りにカネフォラから分けて、エチオピア→ブラジル、最後に残るのはやはりグァテマラとコロンビアです。ここで老眼鏡の登場です。あまり悩まず自分の練習(見極めポイント)を信じてスパっと回答しました。

4問目はダメージ判別。ここでポットを新しいお湯を入れたものに交換です。希望があればスプーンをゆすぐ水や拭うペーパーも新しいものにすることも可能です。講習で持ち帰ったリオ豆と未成熟豆が役に立ちました。間違えようがないぐらいに自信ありました。

5問目は配合分析です。ビニール袋に入ったおそらく40gの豆が2つ配られます。まずは配合比率を確認するために、最初から紙の上に広げました。明らかに2:2ではないことを確認。あとは検体キットの煎豆判別用の2つのパターンにあてはめました。

1問目2問目を落としたものの、残りの問題が正解だったのでギリギリでクリアしました。

実技試験はマークシートで不要な選択肢がないので、普通に回答(満点を狙う)すると、産地判別と配合分析以外は1つだけ間違えるということはなく、1つ間違えると必ずもう1つ以上は間違いになります。ここが実技試験の得点の難しいところかと思います。

逆に考えると、自分の理解度の確認ではなく単純に合格だけを目指す人にとっては間違えてもよい20点の使い方をどうするかという考え方もありかと思いました。例えばグレード判別で産地はわかるがグレードが判断できないというときに、2つとも同じ番号にマークする。絶対に10点は取れませんが5点を確保できるのではということです。ただしこれは私の臆測(5点/回答)が前提ですので、配点が0点か10点なら意味のないことです。

◇学科試験

今回は問題がやさしかったのではないでしょうか。退出可能時間に半数ぐらいの人が退出されました。私は時間ギリギリまで悩んでました。記述式だとついたくさん書いてしまいがちですが、回答欄は決して広くないので、簡潔に回答するように心がけました。帰りの電車の中で2級レベルの問題で余計な記述をしてしまったことに気づき、正直あきらめていましたが、クリアできました。ネットで情報を発信されている中にあるように、確かに正答が教本にズバリ載っていないと思われる問題もありましたが、教本を理解していれば答えらる(80点は確保できる)内容ではないかと思います。

国名から地図上の位置、特定銘柄、主な精選方法を答える問題がありましたが、地図がとても小さくて国境の線がわかりづらかったです。

初めての受験でしたので、あまり勝手がわからず2回で合格できればという気持ちでいました。勉強していくうちに何だか一発でいけるんじゃないかといういつもの根拠のない自信がわいてきて、お店を直前2日も休みにしてしまった。受験直後は実技よりも学科を落としたと思い、気持ちは10月の再試験に向かっていましたが、びっくりの合格です。記述式なので、採点者の判断に助けられた気がしないでもないです。

◇勉強方法について

少ないですが何名かの合格体験記的なブログを書かれている方たちのサイト(有料のサイトは見ていません)がとても参考になりました。過去に出題された問題の傾向というよりも勉強の仕方や判断の仕方です。学科については、記述式ということもあって長年他の資格試験等でパソコンでの選択式問題に慣れてしまっているので、教本のポイント的な部分をひたすらノートに書きました。ポイントといっても講習で聞いた内容と、勝手に自分でポイントと思っている部分(なぜそうなのかという根拠や理由)なので、単語カード的に自分で設問をつくりながらやっていると最終的には全部書き写すような感じになってしまいました。

実技は、カッピングについては講習受講後から試験2週間前まで持ち帰った豆と粉を使って毎日2種類ずつ、教本には粗挽き約7gに対して約135mlの熱湯とありますが、5gに対して100gのお湯でなるべく実技試験の時間帯の午前中に練習をしました。最初は熱湯を使っていましたが、先に書いたようにカップの匂いがするのと、試験会場で全員分の熱湯など準備できるわけがないので70℃ぐらいにしました。でも、100gだと冷めるのが早いです。エチオピアについては自信があったのでほとんどやっていません。また、講習で配布された粉にはほとんどありませんでしたが、コーヒー豆を挽いたときに出るシルバースキンは特に排除せずそのままカッピングしました。2週間前から産地別、グレード別を意識しながら4種類ぐらいずつ。豆が余りそうだったので粉とお湯の量を増やしました。前々日、前日に講習から持ち帰ったダメージ判別を追加。講習から持ち帰ったRIOと未成熟豆しかないのでこの2つをしっかり体感。どちらも忘れそうにない味。経時劣化については講習から持ち帰った粉のブラジルType2を空気と光にさらしておいておいたものをカッピングしてみましたが、まずいけど飲めてしまうレベルなのでもっと時間が必要です。毎回の時間と量、タイミングや感じたことを記録して確認するの繰り返しです。試験日当日の朝にブラジルType2とグアテマラEPWの2つだけカッピングして出発。

外観判別については、まずはすべての豆の特徴を切り分けやすい順にフローチャートにしてみる。18gずつ名前を隠したメモと一緒にビニール袋に小分けしてものを2セットつくり見極め練習。練習するごとに自分なりの新しい切り分けポイント(特徴)が見つかったらフローチャートをブラッシュアップしていく。これの繰り返し。

配合分析は8gを1として、1:3、2:2、3:1の検体キットの煎豆判別用の2セットの組み合わせで6種類をビニール袋に分けて答えを隠したメモを入れて繰り返し練習しました。豆の量が多すぎると比率がすぐに判別できてしまうし、少なすぎると特徴のある豆を覚えてしまい練習にならなくなってしまいます。

自分の理解を深めるために参考にした文献は

『コーヒーは楽しい』チュング‐レング トラン セバスチャン・ラシヌー (著)

『コーヒーを楽しむ教科書』井崎英典

『コーヒー学の基礎』全国大学連合コーヒー学特別公開講座

この3冊です。とても役に立ちましたが、教本とは異なる表現がしてあったりするので、試験の正答は教本であることに注意が必要です。

YouTubeで配信されているものも聞き流し的に利用しましたが、プレミアムじゃないので広告が多くて余計な情報が頭に入ってしまい聞き流しはやめて普通に見ました。少し再生スピードを上げないと時間がかかります。

こんな感じで勉強しました。

◇受験後の感じたこと

学科試験はちゃんと勉強すればなんとかなります。

実技試験は運も必要かと思いました。自分にどのような検体がまわってくるのか。自分の勉強方法で判断しやすい豆かそうでないかということです。

また、講習で持ち帰る豆と検体キットはとても重要だと感じました。市販の豆では同等のものを入手するのはとても困難です。仮に同じ国の同じグレードの豆を入手できたとしても品種も焼き具合も試験に出るものと同等とは限りません。試験勉強のために使ったのは講習で持ち帰った豆と検体キットだけです。ですので講習で持ち帰った豆は量が限られますので、なるべく品質を維持して計画的に活用しましょう。